ソープ密集地帯にある謎の喫茶店の正体
ソープ街にある喫茶とは?
ソープ街、特に吉原に行ったことがある男性ならば、きっと昭和感がプンプンする喫茶店が点在していることに気づくはず。街角にある懐かしの光景そのもので、きっとマスターとその奥さんがレモンスカッシュだとかオムライスを作ってくれるのだろうな!と思うわけですが、実際は異なります。
このソープ街で見かける喫茶店はいわゆる情報喫茶と呼ばれる類のもので、風俗街にある無料風俗案内所と同じようなサービスを提供する場所です。ようするに簡単なドリンクを提供しながら、ソープ遊びを目論む男達に「こんな子がいるよ!」、「どんな女の子がタイプで予算はいくら?」など甲斐甲斐しく条件にあったソープを紹介してくれる、そんなシステムになります。
喫茶とありますが、俗に言う喫茶店、カフェ、コーヒーショップとは異なり、缶ジュースや缶コーヒーを無料で提供もしくは500円程度で出しているだけで、全く持ってこだわりの軽食や飲み物を楽しめる場ではありません。
システムも無料風俗案内所と同じで、ソープにお客を紹介することで発生するマージンで利益が出ているわけです。
情報喫茶の歴史と建前
情報喫茶、この言葉もだいぶ錆びれてきましたが、そこが非常に長い歴史に裏付けられた存在だということはあまり知られていません。
この情報喫茶は以前の遊郭地帯にあった、いわゆる遊女遊びを手配し、ちょっとしたツマミにアルコールが楽しめた軽食処の「引き手茶屋」が原点になります。ただし引き手茶屋は遊郭で遊ぶためのトータルコーディネートをしてくれるような場所であり、現在ある情報茶屋とは規模が一回り異なる場だったそうです。
つまり現在生き残っている情報喫茶の源流は江戸時代にまで遡る引き手茶屋ですが、令和バ―ションはあくまで単なる喫茶店です。喫茶店名目でサービスを提供しており、各自治体による適切な営業許可(この場合は風俗案内所としての届け出)は出しておらず、少しばかりグレーゾーン的な立ち位置で営業しています。
近隣ソープと持ちつもたれつの関係でありながら、喫茶店として主張することで情報喫茶ができたわけですね。最近は「情報」という形容が消え去り、単なる喫茶として営業をしていますが、時折全くその気はないのに喫茶店という看板に誘われて来店する男女もいるそうですよ。
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喫茶に行くメリットについて
さて、情報喫茶に行くメリットをここで整理してみましょう。
①界隈の情報をごっそり得ることができる
②したいプレイ、女の子の好みをできる限り汲んだお店、ソープ嬢を紹介してくれる
③引き手茶屋時代の雰囲気を何となく感じることができる
④ソープの裏話しを聞ける
⑤ソープスタッフが出迎えに来てくれる
⑥マスターが価格交渉してくれることも
特別に目新しいサービスがある訳ではなく、無料風俗案内所のようにパソコンやタブレットで情報観覧できたり、超充実の優遇サービスが受けられるわけではありませんが、ソープの「そ」の字も分からない初心者にとっては安心安全のサービスですよね。
最近は店主の高齢化や警察の取り締まりもあり、情報喫茶の数も少なくなり、いわば絶滅危惧種的な立ち位置まで追いやられた感があります。ソープ街の独特な雰囲気を味わうために来店している、そう答える男性の気持ちも分からなくはありませんよね。
どこに情報喫茶はあるのか?
さて、この情報喫茶はどこにあるのかというと、基本的に吉原周辺です。言わずもがな吉原遊郭の名残りとして喫茶店が点在しているという訳ですね。(もちろん最近は吉原の周りにも、正真正銘のお洒落カフェが多くできてきていますが)
全国にソープ街は点在していますが、分かりやすい喫茶店という形で残っているのは現在では吉原のみ。もちろんタクシーの運転手さんや近隣の方が各ソープの情報を教えてくれることはありますが、引き手茶屋としての伝統を形を変えて受け継いでいるのは吉原だけなので、風俗史に興味がある方にもオススメしたい場所になっています。
冷やかし目的では来店できませんが、ちょっとした下心と諭吉数枚があれば大歓迎してくれるはずですよ。その姿が完全に消えてしまう前に、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか?